2009年12月
2009年12月31日
1時間半遅れて始まったワークショップ
10時から始まる予定のTraining workshop with strawberry growersが1時間半遅れて、アロアシャ学園で始まった。バングラデシュで唯一イチゴの苗を作れる、ラッシャヒ大学農学部教授・農学博士ホサイン・モンジュール氏を講師として、4時間半にわたる熱い議論が行われた。
ワークショップには、多くのイチゴ栽培者が集まり、35人定員の教室に46人が集まった。ダッカ、チッタゴン、シレットなどバングラ全土から集まり、農民だけでなく、毎日テレビに出る有名な俳優や弁護士、倉庫経営者、大学生など多彩な顔ぶれであった。
ワークショップで最初のテーマにあがったのが、根が枯れていく事例の原因についてであった。根の中心部分が赤褐色に変化し、枯れていくが、病気のように全体にわたって変化しないので、害虫に詳しい友人Kがルーペや顕微鏡で見たが虫を発見できなかった。
よくよく調べたら、根腐れ病であることがわかり、モンジュールさんに代わって病気の説明をするハメになった。水のかけ過ぎにより起こる病気で、ただでさえ、排水の良い土を好むイチゴに、ほとんどのベンガル人は毎日のようにたくさん水をかけている。
以前から、モンジュールさんには、植えている部分をマウンドアップして排水をよくするように話してきたが、モンジュールさんが栽培者に話しても、ベンガル人は人の言うことを聞かないという特性が災いした。
土が栄養分を保持する原理、土壌改良をする意味、苗床を高くすること、水のかけ方など、つっこんで話をしたが、どれだけわかってくれたか疑問である。すぐに、農薬は何かと薬頼みのベンガル人である。
ベンガル語がわからないが、聞いていて、自分の言いたいことだけ機関銃のようにまくし立てる人が多いことは、ワークショップに参加してよくわかった。人の話をよく聞く人だけがイチゴは成功するのだろう。
続いて、参加者からパッキングの事例が報告され、マーケットについて、コメントを求められた。日本では、粒ぞろいと大きさと糖度と鮮度が問題にされていること話した。パッキングも実の赤い部分見せて、いかに消費者にアピールして詰め込むか、同じ大きさの粒をいかにそろえるかを説明した。
また、バングラの今の道路事情や車両事情から、産地から消費地が近いことがベストであること、日本では揺れの少ない保冷車を使っていること、インターネットによる農家からの直接通信販売の事例などを紹介した。イチゴの生産も大切であるが、道路事情や運送車両の改善を考えるように伝えたが、とれだけ、理解したか。
最後の価格については、みな、自分の利害だけを主張するため、全く、人の話がわからないほどの騒音大激論になり、まさに口角泡を飛ばしの状態になった。
どれだけ、自分の話が、みんなの頭の中に入ったか?
2009年12月30日
2009年12月29日
ラッシャヒ市長に会ってきた
以前から、友人Kがラッシャヒ市長から依頼されていた温室について、打ち合わせするため、ラッシャヒ市役所を訪ねた。市長(写真右端)は、ちょっと頭の方は寂しくなったものの、目力のある精悍で気さくな人物であった。
ラッシャヒ市長は、A.H.M.Khairuzzaman Litonといい、父親のA.H.M.Khairuzzaman Henaは、印パ戦争の英雄で、アワミリーグの党首で後の初代大統領ムジブル・ラーマンの片腕であった。このため、ラッシャヒには、市長の父親の名前がついた動物公園がある。
この動物公園は市営で、動物を近くの公園に移し、植物公園として整備する予定があるという。市長は、植物公園の中にいつでもいろいろな花が見られる温室を作りたいと考えていた。モンジュールさんを経由して友人Kに温室デザインの依頼があり、今日の市長訪問となった。
温室を作るには様々な課題もあり、特にバングラデシュの暑い夏をどう、乗り切るかという重要な問題もあり、渡航の間、公園の詳細図をもらい、帰国後、友人Kが本格的に取り組むことになった。
そのほか、市長から太陽光発電による道路照明のモデルの依頼もあり、第3次渡航チームに引き継ぐことにした。