2013年05月

2013年05月31日

研究棟の工事写真特集その3

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研究棟工事で使う鉄筋は、勿論、異形棒鋼(いけいぼうこう)。単純な丸鋼(まるこう)といわれる表面が平らで、全て同じ円周の鉄筋ではなく、表面が凸凹していて、さらに等間隔に太さが違う部分がある。
日本工業規格(JIS)では太さによって、「D◯◯」と言うように、Dの後に太さの数字が入り、曲げ強度と引張強度が数字の大きさに比例し、鉄筋の強さを表すことになる。
バングラでは鉄鉱石から鉄を作る精錬所を持たないはずなので、バングラで使う鉄のほとんどは、チッタゴンのなどの浜辺で、人力で解体している大型船からの鋼材が原料になっているはずである。
日本工業規格のような品質の異形棒鋼をバングラで作っているか、甚だ疑問であるが、形は異形棒鋼の様を呈している。
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ベースのコンクリートの上にレンガを敷き、スペーサと呼ばれる円筒形のコンクリート片を置き、レンガから鉄筋を離す。さらに中心に柱の鉄筋を組み上げる。
一枚目の写真も二枚目の写真もスケールを鉄筋に当てて写真を撮っているが、土木用語では配筋検査といい、設計図通りの太さの鉄筋を使い、鉄筋の間隔や長さに間違いがないか(配筋量という)、検査が行われる。
この検査に合格しないと、コンクリートを打つことが出来ない。
鉄筋の品質とコンクリートの品質が規格通りの強度を持つと仮定して、配筋量をごまかさない限り、設計通りの鉄筋コンクリート建築物が出来上がる。


himajintaro at 20:23|PermalinkComments(0)アロアシャ学園 

2013年05月30日

研究棟の工事写真特集その2

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基礎の床堀(掘削)工事が始まった。パワーショベルなどは使わず、全て人力。掘った土は篭に載せ、頭に乗せて運び、ダンプカーに載せる。
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建築設計事務所の施工監理者から支持を受け、
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もっと、深く、床堀をする。
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掘った深さを竹の棒で作った定規で測り、確かめていく。
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5階建ての基礎を作るには、深く掘らなければならないことが写真でもよくわかる。上の写真にをよく見ると、右側に作業員が歩くための斜めの通路がある。
ここの土は、細かいシルト質の土で、少々深く掘っても水は出てこない。地盤は安定している。
こうして、床堀が終わると、いよいよ、鉄筋を組んでコンクリート基礎工事が始まる。


himajintaro at 20:03|PermalinkComments(0)アロアシャ学園 

2013年05月29日

研究棟(通称)の工事写真特集その1

しばらく、研究棟(通称)の建築工事写真の特集をおこなう。
ダッカ郊外での8階建てビル崩壊で1,000人以上のベンガル人が亡くなり、ずさんな、増築工事が明らかになったため、あえて封印していた研究棟の建築工事の様子をアップする。
今日は、鍬入れ式の様子をちょっとだけ紹介。アロアシャ学園本体の基礎工事でも、アロアシャ学園の関係者とアロア者学園の生徒たちで鍬入れ式を行ったことは、随分前の日記でも紹介した。
ここ、バングラデシュでも、日本同様、安全祈願の鍬入れ式を行う。
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施工図面の前に座っているのは、左からアロアシャ学園理事長のアノア先生(現ラッシャヒ大学・イグザミネーション・コントローラー)、中央は同じく理事のイスラム先生(現ラッシャヒ大学地球と生命学部学科長)、右は同じく理事のホク先生(現ラッシャヒ大学農学部長)
イスラム先生とホク先生は、今回の工事の担当理事である。
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最初に、理事長のアノア先生から鍬入れを始める。右側に立っているのは、建築工事の親方。
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次にイスラム先生、ホク先生の順に鍬入れをおこない、全員揃って写真におさまった。
余談であるが、アノア先生は2代目の理事長である。アノア先生は、アロアシャ大学のすべての試験、成績、留学手続きなどの最高責任者である。アノア先生の前任者は、賄賂を生徒に要求する不届き者であったという。賄賂の全廃の改革を行ったアノア先生に全幅の信頼を寄せて、アロアシャ学園の理事長になってもらったという。
賄賂大嫌いのアロアシャ学園創始者・モンジュールさんにとっては、この上ない理想の学園人事であった。


himajintaro at 20:51|PermalinkComments(0)アロアシャ学園 

2013年05月26日

アロアシャ学園4階建て校舎の写真公開

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アロアシャ学園の4階建て校舎の写真が、昨日、AloAsha Project Japan(特定非営利活動法人アロアシャ・プロジェクト)のフェイスブックに公開された。
「アロアシャ校舎4階(3rd floor)が完成し、職業教育課程がスタートしました。農業、電気、コンピュータ、マーケッティングの各コースがあります。」
正面がアロアシャ学園本体の校舎、右側の建物がアロアシャ学園の運転資金を生み出す研究棟(通称)である。
研究棟の1階は、厨房、食堂、作物の貯蔵検品施設。2階は、ドミトリー(簡易宿泊所)。3階がバイテク研究所になっている。
どちらの建物も、5階まで建てられる基礎構造になっている。このため、将来、5階まで増築する計画を考えている。


himajintaro at 11:58|PermalinkComments(0)アロアシャ学園 

2013年05月21日

研究所職員の反乱

バイテク研究所の女子職員が、「誤って?」、ホルマリンを飲んだ。内覧会が行われ、見学者たちが研究所を出た後だった。
研究所は飲食禁止であるし、ホルマリンは刺激が強くて、顔の近くに持ってくることすらできない。
「誤って」飲むはずがないし、飲めるはずもない。
これには、背景があった。
昨年、ある奇妙な事件が起こった。
寒天培地の試験管ベビーたちが一向に育たなくなった。培地を取り替えても同じだった。仕方なく、ラッシャヒ大学やモンジュールさんの友達の研究所で育てると普通に育った。
モンジュールさんは原因を調べた。その結果、培地に成長を止める薬を混ぜている職員を突き止めた。それも、一人でなく、10人近い職員が、皆グルになって、研究妨害をしていることを突き止めた。
もちろん、クビである。
しかし、その中に、職員の母親に懇願されて、一人だけ残った女子職員がいた。その女子職員が、今回、ホルマリンを飲んだのである。
彼女を病院に連れていき、見てもらった。命に別状はないが、医師はダッカの病院に連れて行ったほうがいいかもしれないと言った。
彼女の母は、娘に何かあったら、警察に訴えると強く出た。モンジュールさんは青くなった。
モンジュールさんの温情を「忘れて」、いや、弱みに突け込んで、取るものを取りたかったに違いない。
昨年とは、職員の顔ぶれが違うことには気がついていた。ホルマリン誤飲事件がなければ、モンジュールさんから直接、昨年の真相は聞けなかったかもしれない。
モンジュールさんを裏切った職員が出てきた原因は何か?
それは、ベンガル人に多いジェラシーであると勝手に思う。モンジュールさんを贔屓目に見れば、様々な賞を総なめし、国からは多額の研究費を大学の研究にもらい、どんどん、有名になっていく。それを面白くない人もたくさんいるだろう。
モンジュールさんの歴史は、ジャラシーとの戦いの歴史でもある。
この20年近く、モンジュールさんに近づき、離れていった人間は多い。みんな、モンジュールさんから金を得ようとして、失敗して消え去っていった。
ジェラシーと金と地位と名誉は、今のバングラデシュを破壊している。
自分の工場を従業員みんなで、平気で焼いてしまったり、事故ったバスの運転手を半殺しにし、バスを焼く。
後先考えずに、研究所の職員が反乱を起こした。


himajintaro at 20:42|PermalinkComments(0)農業