2015年03月

2015年03月29日

元日の朝食

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2013年1月1日の朝食はビリアニであった。
付け合わせに、ブロッコリーとニンジンの温野菜に卵焼き。
ブロッコリーは、以前はバングラデシュになかった。カリフラワーがメインであったが、緑色のブロッコリーも普通に市場で買えるようになった。
バングラデシュの野菜の種は、日本から大量に輸入している。それも、日本では有名なサカタとかタキイという種苗会社からである。
アロアシャ学園が、現在の場所に建てられた頃、学園では、このビリアニをメインとした給食を出していた。しかし、給食はコストがかかる。それで、途中から給食をやめてしまった。子供たちは、昼食を食べずに自宅に帰る。この状況は、今も変わっていないはずである。
お金持ちの子供たちの学校、パブナ・カシナプールのジャパン・フレンドシップ・アカデミーでは、弁当を親に作ってもらって、学校に持ってくる。
昼食があるのと無いのでは、学校の授業運営そのものに影響がある。
東京・葛飾・堀切菖蒲園駅徒歩30秒で焼き肉店を営む橋本羅名さんは、給食付きの学校をバングラデシュに創りたくて、準備を進めている。給食も、料理人だけに、香辛料が強いバングラ料理ではない、日本的な栄養バランスを重視した給食のメニューにしたいと考えている。
人間の思考力や人格の根底に「食」があると見た橋本羅名さんの発想である。
タヌキオヤジが関わってきたバングラの3つ学校は、目標がそれぞれ異なり、経営方針も異なる。それだけに、比較もできるし、関わる側としてはおもしろい。いずれも、それぞれに課題を抱え、それなりに苦しんでいる。
タヌキオヤジが、この2年間、職場として、バングラの学校造りの教材としてきた高校も人事異動で去ることになった。去ることで日本の教育を外側から見ることができて、また、新たな発見があるかもしれない。


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2015年03月25日

新入生の母親たち

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毎年、新学期が始まる日、つまり、1月1日には必ず新入生の母親たちが、我が子を見に学校に来る。
入学式があれば、子供の晴れ姿を親たちが見に来るなんてことは、日本じゃあ当たり前のことである。
バングラデシュの貧しい家庭では、小学校に入る年頃であれば、一家の家計を助ける働き手として、外で稼ぐのが当たり前。それを、いくら無料の学校とは言え、家庭の収入を犠牲にして学校に入れるのだから、親たちも、それなりの覚悟をして、アロアシャ学園に通わせているに違いない。
ちゃんと学校で勉強しているのか、親が自分の子供を心配するのは、世界共通。
日本では、親が急に、子供ことが心配で学校に行っても、なかなか、授業参観させてくれない学校が多い。しかし、ここアロアシャ学園は、いつでも、授業参観はOK。学園の先生たちは、自信と誇りを持って授業をしているので、何も、隠し立てする必要がない。
基本、勉強がしたくない、意欲のない子供は入学させない。学年が進む中で、勉強が嫌になってしまえば、学園をやめるのも自由。家庭の経済的理由でドロップアウト(退学)する子供はいても、勉強が嫌になってやめる子供は少ない。
アロアシャ学園といえども、万能ではないし、初期の頃の先生の中には、生徒に手をつけた不届き者もいる。
新入生の母親たちも、メイドやハウスクリーナーなどの仕事を持つ者ばかりである。
「子供たちが心配なら、いつでも、アロアシャ学園にいらっしゃい!」と言いたいところであるが、そんな暇な母親の子供は、この学校には入る資格がない。


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2015年03月24日

新しい教科書の贈呈式

入学式が無い代わりに、新しい教科書の贈呈式が始まった。
順番に各学年の教室に入り、アロアシャ学園の創設者モンジュールさんに始まり、日本からのゲストが生徒代表に真新しい教科書を手渡していく。
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以前のバングラの教科書は、こんなにカラフルではなかった。濡れぞうきんのような、ボロボロの教科書を後輩たちに譲って、授業は行われてきた。
この年、バングラデシュ政府が小学校の教科書の無償化を始めたために、新しい教科書がアロアシャ学園の子供たちにも配給されることになった。
貧しい子供たちのための無償の学校とは言え、教科書まで、みすぼらしいのには、正直言って抵抗があった。
いつも思うのであるが、貧しい子供たちが「多くの学費がかかる公立の学校」をやめて、アロアシャ学園に入り直すことは良いことである。しかし、日本の公立の学校では多くの学費がかかっている現状に、タヌキオヤジとしては大いなる疑問と不満がある。
現実に、日本も、バングラのような格差社会が広がりつつある。公立の学校に受験して入学しても、授業料以外の経費に金がかかりすぎて、困っている家庭が少なくないことを日本人はもっと理解してほしい。


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2015年03月23日

バングラの新学期は1月1日から

バングラデシュの新学期は1月1日から始まる。日本のように4月からではない。新しい学年になった子供たちと新入生が校庭に集まった。
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以前も書いたが、卒業式や入学式を見たことがない。12月31日で卒業し、1月1日に新入生が入学する。セレモニーらしいセレモニーを見たことがない。セレモニー好きのベンガル人にしては、不思議な感じがする。
習慣や文化の違いはあるにせよ、多くの労力と費用がかかる日本式の卒業式や入学式をアロアシャ学園でできるはずもない。
上の写真も、毎日の朝礼と同じである。
朝礼の様子をビデオで撮ってきたが、新しいサーバーになってからアップしたい。
朝礼が終わると、教室に入り、別の意味のセレモニーが始まる。それは、明日の日記で紹介する。


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2015年03月22日

あいびぃ保育園の卒園式と閉園式

昨日、2015/02/18の日記「ある保育園の閉園」に書いた「あいびぃ保育園」の卒園式と閉園式に出席した。
卒園式では、5人の幼児が卒園し、来月、小学校に入学する。
卒園証書授与では、園長であり、運営主体のNPO法人IVYの枝松理事長から、卒園する園児一人一人に証書が手渡され、一人一人が保育園の先生や両親への感謝の言葉を発表した。
卒園する5人の園児の母親一人一人が謝辞を述べ、苦しい避難生活の中で、子供たちの「あいびぃ保育園」での楽しい生活が希望の光になっていることを伺わせる内容がほとんどであった。
東日本大震災の避難者の子供たちの卒園だけに、多くのマスコミが取材に訪れていた。
卒園式次第
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東日本大震災の影響で、山形市内に避難してきた母子を支援しようとしてNPO法人IVYが創設した「あいびぃ保育園」は、わずか2年半で延べ61人の子供たちを育て、約120人の母親の就職支援の実績を残し、今月末で閉園することとなった。そして、東日本大震災への復興支援事業も終了することとなった。
入園した子供の子供の母親だけでなく、保育園の先生やスタッフたちも、胸に込み上げるものがあり、涙をそそる場面もあった。
閉園式
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名簿
世話になった団体個人02
タヌキオヤジは、プロジェクトマネージャーの今野さんと知り合いだったことがきっかけで、保育園設立時に協力させてもらった。今野さんは、もともと、海外青年協力隊員で、山形駅の西側に建つ霞城セントラルビルの2階にある山形県国際交流センターに間借りしているJICA山形ディスクの職員だった。
タヌキオヤジは、元々、幼稚園、学校が大嫌いであった。それは、今も変わらない。だが、今まで、タイの子供村学園、バングラデシュのアロアシャ学園、同じくジャパン・フレンドシップ・アカデミーに関わりを持ってきた。そして、仕事まで高等学校に勤務している。
「あいびぃ保育園」の立ち上げにも関わり、さらに、これから、バングラデシュに新たな学校を創ることにも関わろうとしている。
学校大嫌い人間が、何故、かくも学校に関わるのか。心の中は、葛藤と矛盾だらけである。しかし、確実に言えるのは、日本の教育の弱点を見いだすことが、新たな学校造りへの自分なりの教材になっていることだけは間違いはない。


himajintaro at 06:00|PermalinkComments(0)アロアシャ学園